この記事は“Razer ACARI”ついてレビューしていく。
先に書いておく。このマウスマットは素晴らしい。静摩擦係数が驚異的に低く、初動が非常に軽い。動き始めればマウスがホバークラフトのように浮き上がって滑るような感覚。競合他社のハードマウスマットと比較しても唯一無二だ。
全体評価:5.0
スペック
サイズ | 420 x 320 x 1.95mm |
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表面 | ビード状、テクスチャ加工されたハード表面 |
裏面 | シリコンラバーベース |
厚み | 1.95mm |
タイプ | ハイスピードタイプ(超低摩擦) |
カラー | ブラックのみ |
外箱・梱包
フラットパッケージ。パッケージ裏面には本製品のスペックや構造、特徴が書かれている。内容物はACARI本体とRazerステッカー2枚。
外観
表面
表面にはRazerロゴがプリントされており、縁のステッチ加工はない。滑走面はビード状、テクスチャ加工が施されたハードな表面となっている。
RazerはAcariの最適な性能を得るには100%PTFEのマウスソールを使用することを推奨している。

滑走面は頑丈な樹脂製。水や汚れを弾くためお手入れがしやすい。サイズはVIPER Ultimateと並べても余裕のある大きさ。平均的な中サイズのゲーミングマウスマットと比較してより大きい、420 x 320mmの面積で低DPI設定でもスペースが足りなくなることがない。

VIPER Ultimateや競合他社のLogicool G440と比較しても、ハードタイプのゲーミングマウスマットの中では珍しく大きなサイズであることがわかる。似たようなサイズで競合となりえるのはXtrfyのGP3だが、後述の静摩擦係数で比較するとおりマウスマットの性格が全く違う。
裏面
裏面の滑り止めはシリコンラバーベースになっている。十数時間ゲームで使用したが著しく位置ずれを起こすことはなかった。各々のマウスの持ち方にもよるが、手首が常にマウスパッドと触れるような持ち方する場合、若干位置ずれを起こすリスクが高くなるだろう。
ステッチ加工がないため、机や椅子の高さによってはマウスマットの縁が手首や腕に食い込んで痛く感じるのではないかと疑ったが、不思議なことに不快感が無い。1.95mmのフォームファクタが為す技か。

裏面シリコンラバーベースの拡大図は幾何学模様の滑り止めとなっていた。

滑走テスト
VIPER Ultimateでテストするために、Razerのデバイス管理ソフトウェア「RAZER SYNAPSE」のマウスマット表面較正でフィッティングしようと思ったが、執筆時点ではまだRazer製マウスパッドの中にACARIはまだ無かった。
初動の軽さが驚異的。軽い力で滑らかにスルスルと動き出す。低摩擦を極限まで求めているのでストッピング性は皆無。
静摩擦係数
試験条件
- 測定機:新東科学株式会社ポータブル摩擦計「TYPE:94i-II」
- 試験片:Hyperglide MX-2 (100%純テフロン)
- 測定方法:水平で安定した場所に測定対象を置き、測定機で測定
- 測定位置:対角+方眼のグリッドラインがマウスパッド上にあると仮定し、線が交差する9か所測定した後、平均値を算出
試験結果
μs静摩擦係数=初動の滑り出す力。0に近づくほど摩擦係数が小さくて滑りやすい。
いずれの数値も実測値であり製品を保証するものではない。
また、個体差等による数値変動が有ることを考慮してください。
レビュー商品 | 参考値(ハード) | 参考(布) | ||
商品名 | Razer ACARI | Logi G440 | GP3 | QcK Edge |
平均μs | 0.077 | 0.099 | 0.215 | 0.181 |
最大μs | 0.087 | 0.114 | 0.285 | 0.222 |
最小μs | 0.071 | 0.089 | 0.172 | 0.157 |
センサーとの相性
環境
- OS:windows 10
- 使用ソフト:MouseTester ver 1.5.3
結果
下記5種類のマウスでテストした。最も相性が良いと評価したのはVIPER Ultimateだが、すべてのマウス(センサー)において全く問題なく使用できる。詳細はScrapboxに保存しているため気になる方はリンクからどうぞ。
- EC2-A(ADNS-3310)
- EC2(PMW3360)
- XM1(PMW3389)
- G Pro Wireless(第二世代HERO)
- VIPER Ultimate(Razer Focus+ オプティカルセンサー)
本音のまとめ
全体評価:5.0
ストッピング | 皆無 |
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中間層 | とても硬い |
巻き癖 | 無い |
におい | 無い |
裏面の滑り止め | 強い |
マウスを動かすのに必要な力、もとい初動が異常に軽いのは驚異的な平均静摩擦係数が0.077という低さからだろう。素早く滑らかなフリック操作が実現でき、長時間のプレイによる疲労を軽減するとRazerは謳っているがそれも納得である。
まるでマウスが宙に浮いているホバークラフトになったかのような感覚を一度は味わってほしい。