評価:3.5
ゲーミングデバイスはすべて消耗品であり、日本国内でいつでも在庫があって適切な価格で販売されていて、すぐに届くものを選ぶほうが最も良い。しかし日本国内で販売していないものはその他地域から購入するしかない。
知る人ぞ知るX-raypad。今回はX-raypadオリジナルのゲーミングマウスパッド「X-raypad THOR」をレビューする。
スペック
公称値
サイズ | Lサイズから3XLまで7種展開 |
---|---|
厚み | 3mm |
素材 | ポリエステル |
タイプ | スピード&コントロール |
裏面 | 滑り止めラバー |
縁 | ステッチ加工 |
サイズ展開
カラーや柄にもよるが、最も種類が多いものでLサイズから3XLサイズまで合計10種のサイズが展開されている。(2020/11/07時点)
筆者は『X-raypad Galaxy Thor Fast Speed Cloth Gaming Mouse Pad』のXLサイズ(450x400x3mm)を購入した。
カラー・パターン展開
X-raypadが取り扱うゲーミングマウスパッドの中でもTHORは最多のカラー・パターンが展開されている。(末尾の数字は2020/11/07時点に展開されているサイズ数を示す。)
THOR Black – 7 | THOR White – 7 |
Galaxy THOR – 8 | Black Galaxy THOR – 8 |
Pink THOR – 5 | Cherry Blossom THOR – 5 |
Gray-Black THOR – 8 | Fairy THOR – 7 |
Green Black THOR – 2 | Custom THOR – 10 |
COUSTOM THOR
COUTOM THORはマウスパッドの表面にオリジナルの画像をプリントし、世界にひとつしかないのあなただけのTHORや、チームや企業ロゴをプリントしたTHORを作ることができる。サイズ展開が最も豊富(2020/11/07時点)でステッチの有無やカラーなど選べる。
梱包・表面
中国からフラットな段ボールに梱包されて届く。中身は透明のフィルムに収められており簡易的な包装。フラットなまま届いたので開封時点で巻き癖は一切ない。うねりや折れ目など外観的な不具合は一切確認できない。開けてすぐに使用可能だ。
- 梱包
- 表面
マウスパッドの端のステッチは丁寧に縫製されており、柔らかい手触りである。全周見渡してもほつれや破れは一切見当たらず良い作り。肌に触れても痛さを感じない。
- ステッチ加工①
- ステッチ加工②
表面拡大・厚み
滑走面の手触りと光沢は水着素材などに採用されている合成繊維によく似ている。生地は緯編生地。繊維方向(横方向)へ撫でると導かれるように滑らかに進むが、繊維に逆らう方向(縦方向)へ撫でるとかなり強い抵抗を感じる。トラッキングについては後述する。厚みは公称値は3.0mmで、実測値で3.0mmであった。
- 滑走面等倍
- 滑走面拡大
- 厚み3.0mm
裏面
裏面はゲーミングマウスパッドでよく見るいつもの滑り止めラバー。タイ王国で採れた天然ゴムを用いており、環境にやさしいと謳っている。マウス操作中はあまりずれないが、指の腹で軽く押すと容易にずれてしまう。
- 裏面全体
- 裏面エッジ
- 裏面等倍
静摩擦係数・硬度
硬度測定
- 測定機:タイプC・テクロック GS-701N(JIS K 7312準拠)。
- 測定点数:押針の接触点が6mm以上離れた位置で5回測定する。
- 測定方法:測定位置に測定機を真上から押し当て密着後直ちに読取。
- 測定結果のまとめ方:5点測定の中央値に試験の種類またはその記号を付して表す。
- (例.HsC50:タイプC硬さ試験で加圧面が密着した直後の硬さの読みが50であることを示す。)
- 硬度計
- 測定位置
数値は0に近づくほど柔らかい。上記条件はJISで定められた、硬度を正しく測定する方法と大きく異なる。JIS K 7312においてタイプCでは試験片厚さ10mm以上・すべて同一素材で構成されていることなど規格で定められた方法で測定しなけらば精確な測定結果は得られない。上記方法で試験した結果の数値はあくまで筆者の興味で調べた参考値であり、製品を保証するものでもない。また温度や湿度、製品の個体差などで数値変動があることをご了承頂きたい。
静摩擦係数測定
- 測定機:新東科学株式会社ポータブル摩擦計「TYPE:94i-II」
- 試験片:Hyperglide MX-2 (PTFE100%)
- 測定位置:対角+方眼のグリッドラインがマウスパッド上にあると仮定し、線が交差する9か所。
- 測定方法:水平で安定した場所にマウスパッドを置いて、下に示す9か所を縦・斜め・横の方向別に測定しそれぞれの平均値を計算。
- サンプル
- 取り付け
- 測定位置
静摩擦係数=初動の滑り出す力。0に近づくほど滑り出しやすい。いずれの数値も個人が計測した値であり、また個体差等による数値変動が有るため製品を保証するものではない。
結果
マウスを頻繁に動かす横方向(X)の静摩擦係数平均値は0.099。縦方向(Y)の静摩擦係数平均値は0.164。その差異は非常に大きい0.065。方向別の滑り心地の差は手の感覚でも“かなり強く”感じ取れた。硬度は中央値でHsC55でありや若干硬い。

- 縦
- 斜め
- 横
- 硬度
他製品と比較
X-raypad THORの横方向(X)への静摩擦係数平均値は0.099という値は、布製ゲーミングマウスパッドの中でかなり低い値である。同じスピードタイプに属するXtrfy GP1よりもさらに低い。スピードタイプとして申し分ない性能を有するゲーミングマウスパッドである。
初動がかなり軽く、中間層が少し硬いためマウスがあまり沈まずストッピングアシストを得にくい。滑走中は繊維方向(横方向)に沿って動かしていけば、軽い力で滑らかに滑り続けていく。これよりも低いマウスパッドとなるとハードタイプのRazer ACARIなどだろうか。


センサーとの相性
環境
- OS:Windows 10
- 使用ソフト:MouseTester ver 1.5.3
- DPI400/800/1600/3200に設定し測定。
- 特に記述がない限りポーリングレートは1000Hz固定。
使用マウス
- EC2-A(ADNS-3310)
- EC2(PMW3360)
- NP-01(PMW3389)
- G Pro Wireless(HERO25K)
マウスやマウスパッドの個体差、使用環境、ファームウェアバージョンなど様々な要素で結果が変動する。またあくまでも出力されたデータが100%正しいものではなく、そして製品を保証するものではない。
結果
- PixArt社製センサー3310・3360・3389およびLogicool製HERO25Kセンサーは安定した波形でノイズも特になく精確なトラッキングを示している。
- 全センサーとも異常無しであり、96時間実際に使用している途中でもカーソル飛びなど致命的な不具合は確認されなかった。
- すべての画像はScrapboxに保存している。気になる方はリンクからどうぞ。Scrapbox X-raypad THOR
EC2 PixArt社製PMW3360センサー
- DPI400xCount
- DPI800xCount
- DPI1600xCount
- DPI3200xCount
- DPI400xSum
- DPI800xSum
- DPI1600xSum
- DPI3200xSum