ゲーミングマウスパッド

【レビュー】X-raypad EQUATE PLUS 織目がタイトで滑走面がザラザラなコントロールタイプの優秀なゲーミングマウスパッド。

評価:4.5 

「X-raypad EQUATE PLUS」は、精密なマウス操作をアシストするコントロールタイプに属するゲーミングマウスパッドである。安定したコントロール・トラッキングエイムを提供し、瞬発的な反応が求められるフリックエイムは滑らかな滑り心地に変化する。

X-raypadとは中国・香港に本拠地を置くゲーミングデバイスブランドでありオリジナルの主力商品は「AQUA CONTROL+」や「MINERVA」、「EQUATE」などのオリジナルゲーミングマウスパッドと「Zerofriction」「R-curved Mouse Skates」マウススケートがある。全製品共にビルドクオリティと性能が非常に高く、ゲーミングデバイス先進国の欧米や台湾に全く引けを取らない。

また、アジアにおける「G-Wolves」製品の正規取扱店であり、日本よりも最新製品の展開が早い。

今回はX-raypadオリジナルのゲーミングマウスパッド「X-raypad EQUATE PLUS Gaming Mouse Pad – Speed up!」をレビューする。

スペック

公称値

サイズLサイズから3XLまで8種展開
厚み3mm
素材ポリエステル
表面アムンゼン
タイプスピードプラス&コントロール
裏面滑り止めラバー
ステッチ加工

サイズ展開

サイズは全カラーリングとも8種存在。(2020/11/09時点)

筆者は「X-raypad EQUATE PLUS Gaming Mouse Pad – Speed up!」のXLサイズ(450x400x3mm)を購入した。

X-raypad様より引用

カラー・パターン展開

「X-raypad EQUATE PLUS」はカスタムプリントを含めてカラーリングが4種。

X-raypad様より引用

COUSTOM EQUATE PLUS

「COUTOM EQUATE PLUS」はマウスパッドの表面にオリジナルの画像をプリントし、世界にひとつしかないのあなただけのものを作ることができる。ステッチの有無やカラーなど選べる。

梱包・表面

中国からフラットな段ボールに梱包されて届く。中身は透明のフィルムに収められており簡易的な包装。フラットなまま届くため開封時点で巻き癖は一切ない。また、うねりや折れ目など外観的な不具合は一切確認できない。

化学薬品やゴムの独特な臭いはなく、開けてすぐに使用可能。

マウスパッドの端のステッチは丁寧に縫製されており、柔らかい手触りである。全周見渡してもほつれや破れは一切見当たらず良い作り。肌に触れても痛さを感じない。

表面拡大・厚み

素材は摩耗や湿気に強いポリエステル。「X-raypad EQUATE PLUS」の織り方は『アムンゼン』。ガラス板の上に細かな砂をまいたような凹凸感でザラザラしており、長時間のゲームプレイで手汗をかいたとき、肌にひっつきにくく快適に使い続けられる。

他製品では「ZOWIE GTF-X(PTF-X)」や「X-raypad AQUA CONTROL+」、「Artisan 飛燕」にアムンゼンは採用されている。

「X-raypad EQUATE PLUS」の滑走面は上記他製品3つと比較して、織目が最も微小かつ密で手触りが“Artisan 飛燕の縦方向ほどではないが”粗めでかなりザラザラしている。(粗い表面は滑らかな表面と比べて摩耗が激しく、摩擦係数は大きい。)

  • 「Artisan 飛燕」と比較して、縦横の滑り心地に差異がない。(むしろ飛燕の縦横の滑りの癖が強すぎる。)
  • 「X-raypad AQUA CONTROL+」と比較して、マウスの初動をやや重く、滑走中の引きずり感を強く、ストッピングアシストを強力に調整したような感覚。
  • ZOWIE GTF-X(PTF-X)」と比較して、マウスの初動をかなり重く、滑走中の引きずり感を非常に強く、ストッピングアシストを極限まで強くしたように感じる。同じアムンゼン織のマウスパッドでありながら全く別物のゲーミングマウスパッドに感じた。

トラッキングについては後述する。厚みは公称値は3.0mmで、実測値で2.9mmであった。

裏面

裏面はゲーミングマウスパッドでよく見るいつもの滑り止めラバー。タイ王国で採れた天然ゴムを用いており環境にやさしいと謳っている。マウス操作中はあまりずれないが、指の腹で軽く押すと容易にずれる。

静摩擦係数・硬度

硬度測定

  • 測定機:タイプC・テクロック GS-701N(JIS K 7312準拠)。
  • 測定点数:押針の接触点が6mm以上離れた位置で5回測定する。
  • 測定方法:測定位置に測定機を真上から押し当て密着後直ちに読取。
  • 測定結果のまとめ方:5点測定の中央値に試験の種類またはその記号を付して表す。
    • (例.HsC50:タイプC硬さ試験で加圧面が密着した直後の硬さの読みが50であることを示す。)

数値は0に近づくほど柔らかい。上記条件はJISで定められた、硬度を正しく測定する方法と大きく異なる。JIS K 7312においてタイプCでは試験片厚さ10mm以上・すべて同一素材で構成されていることなど規格で定められた方法で測定しなけらば精確な測定結果は得られない。上記方法で試験した結果の数値はあくまで筆者の興味で調べた参考値であり、製品を保証するものでもない。また温度や湿度、製品の個体差などで数値変動があることをご了承頂きたい。

静摩擦係数測定

  • 測定機:新東科学株式会社ポータブル摩擦計「TYPE:94i-II
  • 試験片:Hyperglide MX-2 (PTFE100%)
  • 測定位置:対角+方眼のグリッドラインがマウスパッド上にあると仮定し、線が交差する9か所。
  • 測定方法:水平で安定した場所にマウスパッドを置いて、下に示す9か所を縦・斜め・横の方向別に測定しそれぞれの平均値を計算。

静摩擦係数=初動の滑り出す力。0に近づくほど滑り出しやすい。いずれの数値も個人が計測した値であり、また個体差等による数値変動が有るため製品を保証するものではない。

結果

マウスを頻繁に動かす横方向(X)の静摩擦係数平均値は0.193。縦方向(Y)の静摩擦係数平均値は0.131。その差異は非常に大きい0.062。

ハイスピードタイプのゲーミングマウスパッド「X-raypad THOR」の縦横の差異が0.065で、方向別の滑り心地の違いがかなり強く感じるのに対し、「X-raypad EQUATE PLUS」の縦横の差異が0.062で滑り心地の差異がそれほど大きく感じなかった。おそらくこの違いは緯編が組織の方向性が色濃く出るのに対し、アムンゼン(梨地織り)では組織の方向性がでないように工夫されているからである。硬度は中央値HsC47.0であり柔らかすぎず、硬すぎない。

表-1
X-raypad THORをレビュー。サイズもカラーリングも豊富な超ハイスピード布製ゲーミングマウスパッド。評価:3.5  ゲーミングデバイスはすべて消耗品であり、日本国内でいつでも在庫があって適切な価格で販売されていて、すぐに届くものを...

他製品と比較

「X-raypad EQUATE PLUS」の横方向(X)への静摩擦係数平均値は0.193という値は、布製ゲーミングマウスパッドの中で非常に高い値であり、コントロールタイプに属する。

下記、表-2のとおり横方向(X)への静摩擦係数平均値は「ZOWIE G-SR(P-SR)」より高い数値で初動はG-SRより重いが、いったん滑走してしまえばG-SRより若干軽い滑り心地。また、中間層がG-SRよりも硬いため沈み込みにくい。

滑走面の組織も織りと編みで全く違う。

精密なエイムのしやすさ、ストッピングアシスト、滑り心地(引きずり感)など実際に使用比較して筆者が判断した最もコントロール性能が強いマウスパッドは、中間層が柔らかくて沈み込みやすく、太い撚糸で緯編で構成された滑走面を持ち、マウススケートに吸い付くような感触を高めた「ZOWIE G-SR(P-SR)」であった。

では「X-raypad EQUATE PLUS」はどこに位置づけされるかだが、引きずり感が強くてピーキーな「ZOWIE G-SR(P-SR)」を、マイルドにしたのが「X-raypad EQUATE PLUS」という認識でまず間違いない。

著しくタイトな織目とザラザラとした粗い滑走面は力強いコントロール性能とストッピングアシストを提供する。梨地織りに現れる不規則なシボの凹凸が強すぎず弱すぎないマウススケートとの吸い付き感を生み出し、フリック時にスピードとバランスタイプの間のような軽い滑り心地をもたらす。これに類似する他社製品は現時点で思いつかない不思議なゲーミングマウスパッドである。

表-2

センサーとの相性

環境

  • OS:Windows 10
  • 使用ソフト:MouseTester ver 1.5.3
  • DPI400/800/1600/3200に設定し測定。
  • 特に記述がない限りポーリングレートは1000Hz固定。
  • 手動で一定のリズム・速度を保ちつつ左右にマウスを動かす。

使用センサー

ADNS-3310ZOWIE EC2-A
PMW3360ZOWIE EC2
PMW3389Zygen NP-01
HERO25KLogicool G903h
Razer Focus+Razer VIPER ULTIMATE

マウスやマウスパッドの個体差、使用環境、ファームウェアバージョンなど様々な要素で結果が変動する。またあくまでも出力されたデータが100%正しいものではなく、そして製品を保証するものではない。

created by Rinker
VAXEE
¥6,990
2020/10/22 17:10:23

結果

  • PixArt社製3310・3360・3389センサーは安定した波形でノイズも特になく精確なトラッキングを示している。
  • PixArt社製ではないLogicool製HERO25KセンサーおよびRazer製Razer Focus+センサーで計測した結果、xCountグラフにおいて波形が大きく乱れた。繰り返し計測しても同様のデータが記録された。
  • PixArt社製ではないLogicool製HERO25KセンサーおよびRazer製Razer Focus+センサーの実際のトラッキングをプロットしたxSumグラフではすべてにおいて異常は見られなかった。
  • Logicool G903hおよびRazer VIPER Ultimateで60時間ずつ、合計120時間「X-raypad EQUATE PLUS」を使用して、カーソル飛びなど異常な挙動は発生しなかった。
  • すべての画像はScrapboxに保存している。気になる方はリンクからどうぞ。Scrapbox X-raypad EQUATE PLUS

Logicool G903 HERO25Kセンサー

Razer VIPER ULTIMATE Razer Focus+センサー

本音のまとめ

X-raypad EQUATE PLUS
まとめ
本稿では主に「X-raypad EQUATE PLUS」を「ZOWIE G-SR」と比較してレビューしたが、筆者は両方とも好みである。 “他製品と比較”という項目にて、既にまとめに近い記述をしてしまったのだが、より強力なコントロール性能・ストッピングアシストを求めるなら「ZOWIE G-SR」。すでに「ZOWIE G-SR」を試していてピーキーすぎると感じた方、または「ZOWIE G-SR-SE」では物足りなかった方は、是非とも「X-raypad EQUATE PLUS」を試してほしい。 「ZOWIE G-SR」を、マイルドにしたのが「X-raypad EQUATE PLUS」という認識でまず間違いない。 著しくタイトな織目とザラザラとした粗い滑走面は力強いコントロール性能とストッピングアシストを提供する。梨地織りに現れる不規則なシボの凹凸は、強すぎず弱すぎないマウススケートとの吸い付き感を生み出し、フリック時にスピードとバランスタイプの間のような軽い滑り心地をもたらす。 これに類似する他社製品は現時点で思いつかないが、敢えて書くなら「ZOWIE G-SRコントロール性能とGTF-Xの滑走面を融合させた新たなコントロールタイプのマウスパッド」である。
使いやすさ:非常に使いやすい
中間層:ふつう
ストッピングアシスト:強力
におい:無し
価格設定:非常に安い
サイズ展開:豊富
入手難易度:中国から輸入
コストパフォーマンス:優れる
良い点
非常に安く、サイズ・カラー展開が豊富でオリジナルのカスタムパッドも作れる。
より精確なマウス操作を実現するために、力強いストッピングアシストを有するゲーミングマウスパッドを探しているなら「ZOWIE G-SR」や「Xtrfy GP2」と並んで有力な選択肢になりえる。
PixArt社製センサーはテスターで異常はなく、プロットデータに不安があった独自センサー2種においても120時間の追試験を行った結果異常な挙動は起きなかった。
気になる点
スピードタイプのゲーミングマウスパッドとは対極に位置するハイコントロールタイプのゲーミングマウスパッド。
ゲーミングマウスパッドに軽い初動・速い滑りを追求している方には絶対に合わない。
中国から輸入するしかなく、入手方法が限られている。
日本国内ですぐに入手できる消耗品と比較して優位性に劣る。
4.5
X方向μs(平均値)0.193
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マウスとマウスパッドを集めてレビューするけどキーボードだけは自作する。